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江戸城不戦開城に不満を抱く、旧幕臣派は上野の寛永寺に立て篭っていた。まさに風雲急。
その頃、横浜港に寄港したグラバーの船からひとりの女性が降り立つ。それは、耀次郎を訪ねて潮座へとやって来た、坂本竜馬の妻、おりょうであった。だが、秋月の姿はすでに横浜になく江戸の町にあった。東征軍が占領した江戸の町で、官軍兵士と戦うひとりの侍を助ける耀次郎。それは、病に侵され、死に場所を求めて彷徨う沖田総司であった。
そして、遂に、上野寛永寺において、彰義隊と東征軍との戦いが火蓋を切る。
死に場所を求めた沖田もまた、寛永寺に向かう――!
「死ぬな…、死ぬな、沖田さん!!」
降りしきる雨の中を、浅葱色のだんだら羽織が揺れていた…。 |
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