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セ:「いろは」は登場人物の多い作品でしたが、一番気に入っているキャラクターはダレですか? |
コ:特に気に入ってるのは一番苦労した秋月と、神無、紅丸、それと脇役では出番こそ少なかったですがお駒さんです。お駒さんはロックなお姉さんなのです! |
セ:お駒姉さん、僕も大好きでした(笑) シリーズ構成の宮下さんに頼んで、25話にも出してもらいましたから(笑) 本当は15話限りの登場だったのですが、「高麗の里の忍」という大事な役を担ってくれました。 |
コ:本当は三味線も下段に構えて弾かせて欲しかった(笑) |
セ:ははは。ロックですね!(笑)
ちなみに、今回の作品では実際に実在した「史実」のキャラクターたちも描いていただきましたが、その辺で難しかった点はなんですか? |
コ:元々似顔絵が苦手なので史実のキャラに関しては難しいの連続でした。人数もオリジナル以上に多かったですし…オリジナルキャラが奇抜なデザインにもなっていたので、どちらかが浮いてしまわないよう、出来るだけ馴染む様に、それとちゃんと似せる事など課題も多かったです。一番迷ったのは「西郷隆盛」で、上野公園にある西郷さん銅像の様なイメージは史実とは違うものと聞いたので、口伝を調査して新しい西郷さんを生み出そうかとも考えたのですが、結局は一番安心して入り込める様、皆のイメージにある物に忠実にデザインしました。
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セ:その点は、「真実」を基にしながらも、あくまでも「アニメ」でしたからね。イメージ重視で行こうという話でしたね。
僕が一番印象に残っているエピソードは、神無率いる「英国軍特殊部隊」でしたね。数少ない女性キャラ登場に、コザキさんと二人で燃え上がったのを覚えています(笑)
なかなか決まらなかったですよね、あれ…(笑) |
コ:あれ程悩んだデザインもありませんでした…! 唯でさえ幕末のイギリス軍の知識が無い上に資料も少なかったですし、かといって完全に自由なデザインをすればイギリス軍の中でも必要以上に浮いた感じになってしまいます。今考えると隠密部隊なので目立たない私服でも良かったのかな…なんて思ったりもします(笑)。悩みに悩んで時間をギリギリ以上に引き延ばしてしまい、当時は申し訳ございませんでした…。 |
セ:いやいや、とんでもない。でも、クイーンのキャラ作りには難航されてましたよね(笑)。
メガネって話は初期段階で決まってたんでしたっけ? |
コ:最初、関口さんとの話ではナイトを女性キャラに、クイーンを色男にしようなんて話をしてましたよね。上に却下されてしまい実現できませんでしたけど、今でも惜しいです(笑)。クイーンが巨乳でメガネのツインテールなのは完全に”外し”で入れましたね…全体的に厳つい年齢の結構高い男達が多かったので、アクセントというか、個人的な趣味も含めて遊ばせていただきました。良輔さんからは「もうね、絵に関しては任せるよ」と言って頂けましたけど、良く通りましたね…。
<初期段階のクイーン。既に巨乳路線は確定していた?(笑)>
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セ:でしたね(笑) クイーンを決めるのに、コザキさんが、「僕の持っているものをすべて出し尽くしましたよ」と言っていたのがすごく印象的でした。 |
コ:ヘトヘトでした(笑) |
セ:でも、その甲斐あって、存在感もある「特殊部隊」になったと思います。
「いろは」という作品をやられて、ご自身の中で変わられたこととかありますか? 一番印象に残っていることとか? |
コ:自分の中で変わった事は、4年間を通して作画さん方の匠の技を間近で見る事ができ、できる範囲で吸収し色々な物が描ける様になった事と、集団作業と言う物のテンポを味わう事ができた事です。印象に残っている事はやっぱり初めて動画に声が乗った時です。命が吹き込まれた瞬間は感無量でした。 |
セ:なるほど。では、最後にファンの皆様に一言お願いします。 |
コ:最後まで「幕末機関説 いろはにほへと」を観て頂きまして本当にありがとうございました。これからもずっと秋月やその他のキャラクター達を記憶に残して頂けたら何よりだと思います。 |
セ:本日は本当にありがとうございました。 |
コ:ありがとうございました。  |
<コザキユースケ プロフィール>
漫画家・イラストレーター。現在「コミックバーズ」(幻冬社)にて「烏丸響子の事件簿」(原作:広井王子)を連載中。最近ではアニメーション、ゲーム等のキャラクターデザインもこなす。代表作は「SPEED
GRAPHER」「幕末機関説 いろはにほへと」。初の画集「コザキユースケWORKS SHUTTER KILL」が発売中。 |
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■劇中を駆け抜けたキャラクターたち
こうして、動乱の幕末を舞台に物語を駆け巡る魅力的なキャラクターたちができあがったのでした。彼らの魅力については、皆様もご存知のことと思います。動乱の幕末に想いを馳せる機会がありましたら、「耀次郎や赫乃丈たちがあの時代に生きていたのかもしれない!」、と想像を巡らせて楽しんで頂けたら嬉しいです。 |
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■終わりに
各地を取材し、学びとった知識をもとに現場のスタッフと供に作り上げてきた物語の世界観を、設定制作という立場からお伝えしたいと思い、始めたこの企画も、今回を持ちまして終了となります。(公式ブログはもう暫く続くと思います)
最後までお付き合いくださいました「いろは」ファンの皆様、ありがとうございました。
物語は終了してしまいましたが、今でも耀次郎、赫乃丈、そして一座のメンバーたちは今も皆様の心の中で生き続けていることと思います。本作品に出会い、愛してくださった皆様のご支持があれば、いつかまた、耀次郎たちに会えることがあるかもしれません。そんな日が来ることを祈って結びの言葉とさせていただきたいと思います。
またいつかお会いしましょう。
本当にありがとうございました。
(文/設定制作 関口敦彦) |
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