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いろはにほへと設定紀行

第4回 江差「開陽丸」取材

■北海道江差へ
幕末機関説「いろはにほへと」、この設定作業の中で、最も苦労したのが『蒸気船』の作画設定であった。
当時の写真などを参考にしたのだが、真横からのアングルは容易に手に入るのに、設定上必要な上空からのアングルは全く見当たらない。航空写真などはない時代なので仕方のないことだが、それでも絵を表現しなければならないアニメにとっては辛い状況であった。
そんな折、「開陽丸」が座礁した北海道檜山郡江差町の開陽丸青少年センターに、復元された「開陽丸」が展示されているという情報を知り、我々制作スタッフは北海道へ取材に向かった。そのときの函館取材の模様は次回の設定紀行で記すとして、今回は開陽丸青少年センター取材の模様をお伝えしたいと思う。
開陽丸青少年センター

■「開陽丸」とは
開陽丸11話以降から物語の中核を担い、榎本武揚率いる旧幕府艦隊の旗艦として登場したのが、当時最新式の蒸気軍艦「開陽丸」であった。
諸外国勢力の脅威の前に国防の必要性に駆られていた幕府は、海軍力の強化を図り、長崎オランダ総領事を通じてオランダに大型軍艦の建造を依頼した。それが「開陽丸」である。慶応二年(1866)に完成した開陽丸は、当時オランダに留学していた榎本武揚らと供に帰国の途に着くのだが、奇しくも時代は幕府から倒幕へと移りつつあったのである。

■甲板
オランダに残された当時の図面を基に、ほぼ同寸大に復元された甲板上には舵輪をはじめ、キャプスタン(錨巻上げ用ウインチ)、救命ボートなどが復元されている。これらは劇中でも描かれているので、ぜひ本編中でも確認していただきたい。
甲板

耀次郎が赫乃丈に斬りつけられた艦橋ももちろん復元されている。
艦橋

甲板 本編中で再現された開陽丸の甲板。
甲板

■砲甲板
「開陽丸」に搭載されていた備砲は、クルップ砲をはじめ、30ポンド前装砲など、合計34門が積載されていたと考えられている。(砲甲板上の砲門は、片側13個、合計26個)
これらの備砲を操る水兵たちも忠実に再現している。
砲甲板

■寝室
当時、開陽丸の水兵たちは、揺れの激しい海上での生活の中で少しでも揺れを軽減するためにハンモッグを利用していた。また、このハンモッグは、時化(しけ)などの際、帆が切れたときにも代用することが出来た。
寝室

■再現された「開陽丸」
こうして開陽丸青少年センター全面協力の基、取材させていただいた写真や、設計図面を基に「開陽丸」が再現された。
再現された「開陽丸」
奇しくも、その実力は発揮させられないまま座礁・沈没してしまった開陽丸であったが、劇中では土方を蝦夷まで送り届けたり、神無率いる英国軍特殊部隊との戦闘シーンなど、重要な役どころを担ってくれた。

復元された開陽丸は、現在も開陽丸青少年センターに展示されている。その他にも引き揚げられた遺留品など、数多くが展示されているので、「いろはにほへと」ファンの皆様には足を運んでいただきたい。
耀次郎が転落した艦橋や、ルークたちが暴れまわった甲板などを見ていただき、アニメのワンシーンに思いを馳せていただければ嬉しい限りである。

(文/設定制作 関口敦彦)

開陽丸青少年センター
http://www.h6.dion.ne.jp/~kaiyou/
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